DHCサプリメント研究所 医療従事者のための健康食品情報サイト

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ご挨拶 監修 医学博士 蒲原聖可
Dr.蒲原ブログ

Q&A

医学博士 蒲原聖可

医学博士 蒲原聖可(かもはら・せいか)
高知県生まれ。徳島大学医学部卒業、同大学院修了。医学博士。米国ロックフェラー大学、東京医科大学を経て、現在、健康科学大学教授。日本薬科大学客員教授。昭和大学兼任講師。DHC研究顧問。日本統合医療学会理事、国際個別化医療学会理事。日本健康促進医学会理事。主な著書に『ヘルシーエイジングに役立つサプリメント・健康食品』(医学と看護社)、『サプリメント事典第3版』(平凡社)、『必携サプリメント・健康食品ハンドブック』(新興医学出版社)、『EBMサプリメント事典』『サプリメントと医薬品の相互作用診療マニュアル』 (以上、医学出版社)、『ダイエットを医学する』『代替医療』(以上、中公新書)、『ヒトはなぜ肥満になるのか』(岩波書店)、『肥満遺伝子』(講談社ブルーバックス)などがある。主な原著論文にNature. 389, 374-377, PNAS 92, 1077-1081等がある。


「DHCサプリメント研究所」開設に際してのご挨拶

 DHCは、医療従事者のためのサプリメント・健康食品情報提供サイト「DHCサプリメント研究所」を開設いたします。本サイトでは、医師・薬剤師・管理栄養士・看護師などの医療従事者に向けて、サプリメントの適正使用に役立つ学術関連情報を提供いたします。

 現在、サプリメント・健康食品の利用者が増加し、医療従事者の間でも、サプリメントの適正使用への関心が高まっています。  例えば、2002年に行われた代替医療の利用実態調査によると、42%以上の人がサプリメントを利用しており、10数%がハーブ(薬用植物)類を用いていることが明らかとなりました。
 近年、セルフケア・セルフメディケーションの一環として、サプリメントが広く利用されるようになりました。しかし、臨床の現場では、サプリメントに関する判断に混乱が生じているようです。これには、サプリメントの科学的根拠、有効性と安全性、医薬品や食品とサプリメントとの相互作用に関して、医療従事者にとって信頼できる情報源が多くないという背景があると考えられます。
 2005年の東京都による調査では、医師および薬剤師を中心とした医療関係者を対象に、健康食品に対する関心や制度の把握状況といった事柄が調べられており、医師は約6割、薬剤師は約9割が「健康食品」への関心を持っているとされました。「健康食品」に関する患者からの相談頻度について、開業医師と開業薬剤師から得た結果では、「ほぼ毎日相談を受けている」と「週に1回相談を受けている」が、開業医師は約3割、開業薬剤師は約4割であったということです。しかし、医師は約8割、薬剤師は約6割が、健康食品に関する制度について、「よく知らない」、「名前は知っているが、内容については自信がない」という結果が示されています。

 サプリメント・健康食品は、本邦の食薬区分に基づく法制度では食品として扱われます。その範囲には、一般的な食品・食材に由来する機能性成分から、伝統医療で用いられてきたハーブ・薬用植物にいたるまで、さまざまな成分が含まれます。
 現在、サプリメントに関して、医療従事者を対象にした学術的な情報提供が、質および量ともに十分ではないため、日常診療での的確な判断が容易ではないと推察されます。そこで、サプリメントの適正使用のための指針が必要です。

欧米では、すでに多くのサプリメントが利用されており、一定の効能効果が明らかになった成分も存在します。現在、米国ではNIH(国立衛生研究所)に設置されたNCI(国立がん研究所)やNCCAM(国立補完代替医療センター)が中心となり、サプリメントの検証を目的とした臨床試験が進行中です。
 本邦でも、サプリメント・健康食品に関する研究の推進が必要と考えられます。まず、欧米において研究が行われてきたサプリメントについては、日本人を対象にした臨床研究による検証が望まれます。また、本邦独自の健康食品成分については、その有効性と安全性についての検討が必要でしょう。

臨床におけるサプリメントの適正使用のためには、科学的根拠に基づく診療ガイドラインの作成が求められます。ただし、現時点では、サプリメントの臨床応用は容易ではありません。その理由は、現在のサプリメント研究が「科学的根拠を構築する段階」にあるためです。
 サプリメントの適正使用に関連して、診療ガイドラインを整備し、個別化医療に応用するためには、さらに研究の推進が必要です。例えば、効能効果の検証には、従来からの科学的評価指標に加えて、いわゆる‘Omics’の手法を用い、新たなバイオマーカーの確立や評価法の検討を行うことができます。それらのデータに基づき、個別化医療の見地から、効能効果および副作用・相互作用の予測を行い、サプリメントの適正な使用が期待されます。適切な成分・製品を選択し、至適な用法・用量にて利用する場合、サプリメントは疾患の予防や治療に応用できると考えられます。また、費用対効果についても考慮すべきでしょう。

今後、サプリメントの適正使用に向けて、科学的根拠が構築・収集・評価され、診療ガイドラインに組み込まれる形で情報が提供されるようになれば、予防医学や治療医学における個別化医療の実施に際して、サプリメントを利用することは有益であると考えます。

 本サイト「DHCサプリメント研究所」は、医療従事者を対象に、サプリメントに関する情報提供を目的としています。例えば、頻用されるサプリメント成分の学術情報として、『医療従事者のためのEBMサプリメント事典』(医学出版社2006年)、『サプリメントと医薬品の相互作用診療マニュアル』(医学出版社2006年)、『知って得するサプリメント通信』(学研・月刊ナーシング連載) から主要な項目を抜粋して掲載しています。なお、これらのコンテンツは、執筆時点の科学的根拠に基づく情報です。今後、必要に応じてデータを追加して参ります。
 本サイトの網羅的な学術情報を臨床現場に反映させるためには、各分野の専門家である医療従事者の方々の英知と経験に基づく判断が必須となります。サプリメントの適正使用を進める上で、本サイトの情報がお役に立つことを願っています。

 

2008年5月  DHC研究顧問・医師・医学博士 蒲原聖可